小児矯正の進め方

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小児矯正に入る前にできることがあります

小児矯正に入る前にできることがあります

多くの場合、咬み合わせの乱れは「上顎の成長不足」と「下顎の成長不全」が原因となっています。なぜそのような成長不足・成長不全が起きるかと言うと、次のような要因が考えられます。

顎の骨がうまく育たない要因

  • 「咬む」「飲み込む」「呼吸する」といった口腔機能に問題がある
  • 「食いしばり」などの悪い癖がある
  • 両親からの遺伝

遺伝的要因に関しては治療でのアプローチになりますが、口腔機能や癖に起因した不正咬合は、適切な処置・トレーニングによって予防できるものです。

舌の位置が不正咬合を誘発している可能性も

舌の位置が不正咬合を誘発している可能性も

舌の動きに問題があると食べ方、発音そして歯ならびの問題として現れます。
幼少期にあごが十分成長するためには、普段から舌を上あごのスポットという位置に位置づけることや、嚥下時に舌が上あごに当たる必要があります。

呼吸の仕方が舌の位置を決めます

呼吸の仕方が舌の位置を決めます

口呼吸では口腔の気道を確保するために、舌は低位に位置付けされています。口呼吸は鼻呼吸よりも呼吸数が増加したり、咽頭気道を確保しようと舌が前方に押されるため、前方運動(舌突出癖)が促されてしまいます。

お口の活動が不正咬合に影響します

お口の活動が不正咬合に影響します

上顎の成長は7~8歳ごろまでがピークであり、10歳には完了すると言われています。

お口の活動が不正咬合に影響します

歯列は24時間活動している頬や口唇、舌に囲まれているため、これらの筋肉のバランス(バクシネーターメカニズム)が崩れることが不正咬合のきっかけを作ってしまいます。

良好な歯列成長では、5歳ごろの乳歯列に7mmの隙間があります。

適切なタイミングで治療に入ります

適切なタイミングで治療に入ります

小児矯正で大切なのは、「いつ治療を始めるか」です。当院では矯正治療が必要と判断した場合も、適切なタイミングを待って治療を始めます。「早ければ早いほどいい」というわけでもないのです。

これは何故かと言うと、小児矯正ではその子が本来持つ成長力を引き出すことが重要だからです。顎の骨が成長していくタイミングに合わせて矯正を行っていくことで、「無理やり器具で矯正する」のではなく、「身体の成長の力を借りて自然な形で矯正していく」ことが可能になります。

正しい方向に成長していくよう導くのが小児矯正のポイントです。レントゲンなどによる検査でお子さんの成長状態を把握し、今後どのように成長していくか予測することで、適切なタイミングでの小児矯正が行えます。

小児矯正で大切にしていること

小児矯正で大切にしていること

矯正治療と言うと、銀色のワイヤーと装置を装着した「ブラケット矯正」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。矯正に関して「痛む」「食べにくい」「嫌がる」などの心配を口にされる親御様も少なくありません。

当院では、治療ができるだけストレスにならないよう、取り外し可能な装置を夜間のみ装着していただく矯正治療を主体としています。日中は装置を使わずにお子さんには普段どおり活発に過ごしてもらい、話す、笑う、食べる、飲み込むといった口腔機能に制限をかけないことで、自然で健やかな成長へと導きたいという考えです。

身体の成長を器具の力で押さえつけるような治療は、痛みがあるだけでなく後戻りのリスクもあるため、できるだけ行わないようにしています。